声からして…男?
結構年も近そう。
「そうなんですか。ベンチの下だったんで、気付かれにくかったんじゃないですか?」
年も分からないから
一応、敬語で返す。
『ベンチって学校の中庭の?』
「そうですよ」
『あーそこか!昨日サボって寝てて落としたんだな。じゃあ君、坂上校の生徒?』
「はい」
『そっか!んとにありがと』
「いえ。あの…どうしたらいいです?」
『悪ぃ悪ぃ!あー場所も分かったし、そのままベンチの下に置いといて。次は見つかるとやべーし』
「分かりました。じゃあ、ここに置いと『ブツップーップーッ』
そこで電話は
切れてしまった。
何よ…。
首を傾げながら
携帯を切る。
「とにかく、ベンチの下っと」
携帯を閉じ、
ベンチの下に置く。
ふと、朝の天気予報を
思い出す。
確か午前中に
通り雨降るんだっけ…
携帯を見下ろす。
「…しょーがない!」
私はポケットから
ハンカチを取り出した。