タッタッタッタッ
「はあ…はあ…」
校門が見えて来た。
スピードが
落ち掛けていた足も、
次第に早まる。
「あともうちょっと!」
最後のラストスパート!
髪の毛もメイクも関係なく
全力疾走。
遅刻には変えられない!

「やっと着いた…」
校門に手を掛け、
息を整える。
いつもなら教室まで
全力疾走なのだが、
今日わ何故か校門で
足を止める。
その時、
♪~♪~♪
「えっ?」
何処からか
先週オリコンで
1位をとった曲が
聴こえて来た。
多分、携帯の着信音だろう。
なんとなく
音のする方へ歩いてみる。
♪~♪~♪
さっきはあやふやだった
曲の歌詞もどんどん
大きくはっきりになっていく。
「あった!」
私の一番好きなところが
流れたとき、
中庭のベンチの下に
少し振動しながら、
光って曲を流している
黒色の携帯を見つけた。