それから一気に教室の雰囲気も和んだ。



みんなの話し声もぱらぱら聞こえ始めた。



そして、あっという間に私の番がきた。



「宮崎。」



緊張で身体が固かった。



「なぁ。」


「え?」


「お前、大丈夫だよ。
お前なら受かってる。」



いつもは、何の確証もないのに無責任な、とか思うのに、この時は嬉しかった。



「うん。」


「もし落ちてても、俺は笑い飛ばしてやる。」


「あんたこそ、腹筋つるまで笑ってあげるから覚悟して。」



へへっと笑った村井の笑顔はちょっと弱々しかった。



「宮崎〜。」



再度呼ばれ、私は急いで教室を出た。



隣のクラスから出てきた人も、私と同じように緊張してるんだろうな。



「じゃあ発表するぞ。」



言われて、私は慌てて先生に駆け寄った。



「宮崎。」


「はい。」


「……おめでとう。」



たっぷり溜めた後、先生はニッコリ笑いつつ、言った。



「嘘。」


「これ、連絡のプリントね。
静かにゆっくり騒がないで帰んなさいね。」



私はコクコク頷いて、飛び跳ねるように階段に向かった。



嘘みたい。



半分の中に入っちゃったよ。



滑りそうになりながら、階段を降りる。