今度は何も言い返せない。



確かに緊張してたし、不安だった。



受かってる自信もない。



私は黙ってまた突っ伏した。



「悠士クンはどうだったぁ?」


「あ~、俺?
俺はもう落ちたって確信持って言えるね。」


「やだぁ~!」


「ははは。」



こんな会話も聞かなきゃなのか。



私はため息をついた。



「そういや田中、お前はどう?」


「俺も駄目だなぁ。
結構噛んだからなぁ~。」


「お前駄目ならマジで俺確実じゃんかよ。」



朗らかに笑った田中さんは否定しなかった。



わお、男前。



結果がわかるまで、こんな会話が延々とされるであろうこの一週間。



私の友達の多くは私立一本だからまだマシだけど。



きっと、「あたしは受かってないよ~」と笑顔で手を振っている人の中で何人かが「うわぁ、ラッキー」とか言って受かるんだろうな。



ため息が自然に転がり出た。



ていうか、私だけ受かって同じ学校受けた人が駄目だったらどうしよう。



自分が駄目だったときはサラッと受け流す自信はあるんだけど、フォローの自信はないよ。



ああ、みんな受かってますように。