振り向くと、同じクラスのー…。そうそう、畑山由季だ。
一度も話したことはない。

「何か用?」

「僕ら、友達にならない?」

友達は、なろうと言ってなるものじゃない。
畑山を見ると、とてもにこやかだった。
面白い。

「それなら、ゲームをしないか。」

にこっと笑い俺をみて頷いた。

「いいよ、いいよ!どんなゲーム?」

「…青春ゲーム。」

「なにそれー!どうやってやるの?」

興味深そうに首をかしげた。

「最近、学校が退屈でね。中学の時の大事な親友は遠くの学校に進学した。だから、俺に青春を味わわせてくれ。」

一瞬眉間にしわがよった。
そりゃそうだ。上から目線なのだから。しかし、すぐにまたにこーっとした。

「…いいよ、面白そうだ。その代わり、青春を味わえたその時は、二度と感情のない顔しないでね。」

そんな表情してたのか、俺…。

「よし、決まりだ!」

畑山はそう叫んで俺の席を後にした。