とりあえずあたしは走った


下駄箱で靴を履き替え

階段をあがり

廊下を思いっきり走った


教室の前まで来て一回立ち止まった

「はぁっはぁっ…疲れた~」

息を落ち着かせ、廊下からふと中庭を見た

「あれ?誰だあれ?」

誰かが木陰で寝ているのが見えた

「目が悪いのが恨めし~い」

目をこらしてみると…



ワイシャツのボタンが第2くらいまで開いているのだろうか

随分前が開いていた

「ちゃら男か…」


一人で納得していると


風で木が揺れ、今まで見えなかった顔がちらっと見えた


あれ…あの顔…


キーンコーンカーンコーン


「あっ!」

あたしは急いで教室に入った


あの人…いいのかな…

遅刻になっちゃうのに…

あ、でもちゃら男っぽかったしいいのか…