「疲れた…」


あたしは思いっきり息を吐いた

やっと学校の前まで来たのだ


―正しくは学校の前にある坂の前まで来たのだ


あたしが通う大羽高校の前にはすごい急な坂がある

いつもパンクしてなくてものぼりきれない

自転車をおりて押しながら坂をのぼった

この坂が結構長くて…

毎朝苦しめられている

「ぅうおりゃっ!!」

最後の坂をのぼりきったときのあたしの掛け声


門を通って駐輪場に自転車を置く

携帯を開いて時間を見ると8時23分

「やっ!やばぁっ!」

思わず変な声になった