「んじゃ、いってきまーす!」

あたしはそう言って家を出た

中から「いってらっしゃい」と

お母さんの声がかすかに聞こえた


あたしが通うのは

家から自転車で15分くらいのところにある

【大羽高校】おおはねって読むの!


今は8時だからまぁまぁ余裕で着くな…


あたしは自転車にまたがり

ゆるーいスピードで学校に向かった

5分ほど自転車て走ったころだった

タイヤの調子が悪くなっていることに気づいた

降りて確認してみると鋭くとがったガラスの破片か何かが

前後両タイヤに刺さっていた

「まじで…」

あたしは携帯を開いた

時間は8時7分

間に合わない…

運動部に入ってるわけでもないし

特に運動が得意なわけでもないあたしには

自転車をここに置いて学校まで走る体力も

両タイヤがパンクした自転車に乗り学校まで乗り続ける筋肉もない

「どーしよ…」

走るよりはマシ…

あたしはパンクした自転車に乗り学校を目指した