「まぁ……学生卒業してからならいいけど?」
そう言ってまたニヤリと笑う。
「なんでそんなに先なんだよ」
「まぁさ、俺にも事情があるわけよ。まぁ……その頃には懐かしい思い出にもなってるかもしれねーし、貴重な時間になってるかもしれねーし」
「……は?」
要は何かを見つめていた。
それは、未来のあるべき自分の姿?
要を見ていると、未来が楽しみに感じた。
一年はあっという間だった。
相変わらず要は部活に入らないですぐに家に帰ってたし、俺はバスケに燃えていた。
「コイツ、飯澤愛海(いいざわまなみ)。俺のイトコ」
愛海ちゃんに会ったのは一年生の入学式の次の日だった。