「カナちゃんのこと、絶対に忘れないでね。絶対に、絶対にだからね」
「忘れない。愛海ちゃんのことも、ずっと覚えておく」
愛海ちゃんがこの時要のことしか言わなかったことは、要をどうしても忘れてほしくないという願いだったらしい。
ずっと三年間を一緒に過ごしてきた、親友だから。
「あ、梅亜の情報来てる?」
「え?なんかあるの?」
「今日、新曲の発売日」
「え!?」
中学生でケータイもパソコンも持ってなかった俺には、なかなか細かい情報までは入ってこなかった。
テレビがいいとこ。
だから要に情報をもらってたってのもあった。
でも、この日はいつもと違った。