「私が君を引き取ってもいいと
思っている。
学校もこのまま通わせるし
肩身の狭い思いをしなくていい。
考えてくれないか?」



「稔さん
ありがとうございます。
だけど・・・
あの家族に未練があります。
10年近く一緒に暮らして
家族だなんて思ったこともないけど
いつか・・・・
あの孤独さを
仕返ししてやりたいって
ずっと思ってた。
私ってかなり嫌な性格なんですね。
これからあの幸せ家族の行く末を
見てみたいんです。
父と同じ顔を持つあの人は
なぜ私には冷たいんだろうって……」



過去に答えはあった


でも今はまだ雪湖に話すべきではない。


稔は、雪湖を使って
大柴家を
大柴 竜平を陥れることを
想像していた。


 おもしろいかもしれない。

最後にはプリンスを餌に
雪湖を自分のものにする

偽善な笑顔の中には
悪魔が笑っている。


「相談にのるから
なんでもいいなさい。
ただ、私と会ったことは秘密にしなさい。
その方がいい・・・・・」

稔は雪湖の肩をたたいた。