「これからどうするんだい?」


「大柴の家に戻ります。」



雪湖の思いがけない言葉に


「え?戻るって?」
稔は声を強めた。



「学校を卒業するまで
あそこにいさせてもらいます。
じゃないと私の人生の
道を間違いそうで怖いんです。
きっと後悔するって・・・・」



「まさか大柴家のプリンスと
結ばれると信じてるのか?」



稔の言葉に一瞬動揺した。



「自分の立場はわかっています。」



わかってる・・・・
だけど・・・・
このまま別れたくない未練が
募る・・・・・


智久と自分をつなぐ
一本だけの糸は・・・・・・
大柴家の針のむしろの上にある。