その手紙は美羽の家に送った。
美羽の物として残してもらいたかった。
美羽はあたしを許してくれないかもしれない。
だから許してもらおうなんて思わない。
ただ本気で幸せになってほしい。
どこにいたって美羽はあたしにとってかけがえのない存在だったから・・・。


美羽の通夜には100人以上もの人たちが集まり涙を流していた。
あたしは1人1人に挨拶をし美羽の家族としてその場にいた。
美羽の家族として恥ずかしくないよう精一杯に涙をこらえた。
もう泣かないと決めた。
美羽はきっと笑顔のあたしを見たいと思う。
こんな考えおかしいかもしれないけれど、
美羽は「美羽が死んだ」って思ってほしくないと思うから今まで通り美羽の前で素直に笑うよ。
そして最後に・・・
美羽、生まれてきてくれてありがとう。
さようならは言わないよ。





いつもどおりの生活が始まった。
心にぽっかりと大きな穴が開いた。
でもあたしは埋めたいとは思わなかった。
美羽がきっと埋めてくれるから。
遥はまだ意識不明。
でもだんだん回復しているという。
 「そろそろ春休みかあ!」
2年も終わりあたしは受験生になった。
美羽が逝ってからあたしは積極的に友達の輪に入ろうとして、友達はすごく増えた。
友達が多いと学校も楽しくて毎日が幸せ。
そんなあたしの隣で今笑ってくれてるのが時田だ。
時田は男友達は多いが女友達がほとんどいなくてシャイだった。
そんな時田の隣をあたしは歩いた。