泣き崩れた後ふと紙を見直した。
 「え・・・?」
あたしの見間違いがあった。
美羽が死んで遥は・・・重態。
遥は生きてる。
あたしは病院に急いだ。
美羽が死んだことの悲しさより遥が生きてるって希望が大きかった。
絶対に遥は死なないって自信があった。


 「夏恋!」
病院であたしは麻那ちゃんに抱きしめられた。
 「ごめんね。あたしもうしないから・・・。」
涙をぬぐって病室に向かう。
 「美羽・・・彼氏のことで辛くてもう死にたかったんだって。だから・・・」
麻那ちゃんはまた大粒の涙をこぼした。
 「もう泣かないで。あたしも悲しい。・・・美羽の生きる希望になりたかったんだ。」
約束は叶えられないまま消えてしまった。
あたしにとってあの約束は夢物語じゃなかったはずだったのに・・・。
ずっとずっと笑っていて欲しかった。
 「遥!遥!遥!」
あたしは遥を揺すった。
大好きな人が青白い顔で目を閉じている。
 「夏恋。あまり揺らしちゃダメだよ・・・。あたし美羽のところ行くからね。」
そういって病室を出た。
 「ごめんなさい!本当にごめんなさい。」
本心を打ち明けることにした。
どうしてあのときあんな簡単に遥の元を去ることができたのか。
なんとなくあたしははじめから分かっていたんだ。
だけど、違うって思ってただけ。
自分が幸せになりたいからって・・・。
馬鹿だあたし。最低だ。あたし・・・生きてる価値ない人間だったのに。
命・・・あるよ?
あたしは生きてるよ。本当にごめんね。
 「あたし遥のこと大好き・・・。でも恋愛じゃなかったんだ。恋をしたくて幸せになりたくて利用したの。ごめんっ!ずっと気づいてたのに・・・あたしたちは恋をしちゃいけなかったんだよ?あたしは遥を愛していなかった・・・。」
涙をこぼすたびに言葉が出てくる。
自分が最低な女だってますます思い知らされた。