落ちたくない。落ちたくない。
あたしは必死にもがいて泣き続ける。
死にたくない一心で叫んだ。
 「てめえ・・・・っ!」
あいつらが刃物を出した。
あたしは声を殺した。
もう抵抗できない。
殺される。あたしが死ぬ。
今度こそ・・・死ぬんだ。
刃物はあたしの首筋を狙っている。

美羽・・・。
美羽の生きる希望になれなくて・・・なる前にしんじゃってごめんね。
美羽と一緒に生きていたかった。
ずっとずっと、美羽を守りたかった。

あたしは覚悟を決めた。
目を閉じると刃物が近づいてくるのが分かった。
あたしはそのまま意識を遠のかせた・・・・・




 「お父さん!なんで行っちゃうの?」
 「なんでもいいだろ。」
 「どうして・・・?」
 「お前の顔が見たくないんだよ。」
 「なんで?」
 「お前はお母さんに似てるんだよ。お父さんが大嫌いな。」
 「・・・っううぅ。」
 「じゃあ。元気でな。」
 「お父さん!行かないでーっ!」
 「夏恋。お父さんはもうお前を愛していないんだ。分かってくれ。」
 「お父さんのこと・・・っ大好きだよおっ。」
 「ごめんな。・・・なんで夏恋は生まれてきたんだろうな。」