家族もでき、いじめに恐れることもなくなった。
そんな当たり前の事をとても幸せだと思うことができたのは美羽のおかげ。
美羽がいなきゃあたしは死んでいたかもしれないって、
今でも少し思う。


久しぶりにあたしは1人で屋上に向かった。
今の幸せが消えないように心から祈った。

 「あんた何してんの?」
振り返るとそこには・・・あたしと美羽をいじめてる奴ら。
 「なんでもありません。失礼します。」
その場から立ち去ろうとした瞬間、壁に押され追い詰められた。
 「いい子ぶってんじゃねえよ。お前は生きてる価値なんかねえんだよ。」
何を言われても平気だった。心は軽くなった。
人は、生きてる価値がない人なんていないって知ってるから。
 「もういいですか?」
あたしの一言でいじめリーダーがキレた。
 「家族に捨てられて孤独になって友達も1人、仲間もいない。そんな気分はどうだ?優しくされるのが当たり前になって甘えてんじゃねえよ。」
あたしは頭をさげた。
今更気づいた。
お母さんにとってあたしは死んでもいい存在。
美羽にとっては同情してしまう可哀相な子。
そんな事になんで気づかなかったんだろうか。
甘えてた。
この人たちの言うとおり・・・・。
でも、美羽に恩返しをするって気持ちは変わらない。
 「確かにあたしは甘えてた。世界で1番孤独なのは自分だって思って死のうとしたし、死んでも良いって思った。でも美羽のおかげで迷惑を掛け合えるくらいの友達も仲間も1人できた。あたしはこのままただ幸せにならないで美羽の生きる希望になれるように努力するの・・・・っ。」
あたしは泣き崩れてその場にしゃがみこんだ。
 「じゃあ、一度死んでみろよ。死にたいんだろ?ほら。落としてやるよ・・・」
あたしはハッとして立ち上がった。
殺される・・・っこのままじゃあたし・・・っ!!!