学校に行くと美羽はルンルンであたしの腕を掴んだ。
 「来るよねー?来るよねー?」
期待の目。
きっと美羽は迷惑とか思っていないんだと思う。
でも、あたしは思ってしまう。
だから・・・・
 「行かないよ。」
大好きな親友だからこそ、礼儀も必要。
助けられてばかりはダメ。
助けなきゃ。
あたしが希望を貰ってばっかりじゃん!
 「えー!なんで?来てよ・・・」
美羽は涙目になる。
 「だって・・・無理なんだ。」
少しの迷惑もかからないのなら行きたい。
でも、家賃とか食費とかきっとものすごい莫大なお金がかかる。
あたしはきっと少しも払えない。
美羽に迷惑をかけるただの居候になってしまう。
それで嫌われるくらいなら・・・。
 「馬鹿ー!迷惑とか全然ないんだからね!夏恋のことだからそういうこと考えてるんでしょ!美羽は夏恋と一緒にいたいの!」
 「ありがとう」

迷いに迷ってあたしは美羽の家の居候になることにした。


 「どぞどぞー!上がって上がって!」
 「おじゃましまーす」
所持しているものは、携帯、私服、制服、お金(2万程度)
アルバイトなどもしてできる限り自分で生活すると決めた。
美羽は相変わらず何にもしなくて良いよとか言ってくれるけど、それは絶対にイヤだから。新しい空間が体に染み付いてきた。

 「なんじゃこりゃ!・・・・って誰?」
キッチンから顔を出す人。美羽のお兄ちゃん?
 「遥!煙でてんじゃん!それ本当にオムレツー?」
 「なになになになにー?あ!馬鹿!火消しなさい!」
今度は誰?美人な人。