みやびの家には昼間電話した。夜に電話すると家の人が出る可能性が高かったからだ。若い私は祈る思いでダイヤルを回し続けた。また私は不思議な感覚にとらわれて、目の前の若い私と同化しはじめた。
何度めかの呼び出し音の末、「もしもし。」みやびらしき若い女の子の声がした。「あっ、私、」「あたしだけど」私の声をさえぎってみわびが応えた。私のドキドキ感が強まっていった。