高校一年の夏休みは何もなく過ぎ去っていった。若い私はみやびに再度電話しないで、俊ちゃんの家に入り浸って いた。おかしい。私の記憶に違いがなければ、この辺で俊ちゃんからバンドを作ろうという、私の高校時代の痛恨の出来事が始まるはずだった。そのバンド活動をするために部活をやめたのだから。
しかし、何もなく夏休み最後の日になった。