俊ちゃんと若い私は私の部屋に戻った。そこで二人は馬鹿話をはじめた。話の中身は俊ちゃんがついに初体験を済ませた、という話だった。同じ中学の女の子が夜、俊ちゃんの部屋に来て、良いムードになって、そうなったらしい。
親のいる居間を通らずに、裏口のすぐ横の彼の部屋ならではの話だった。
「いいなー。羨ましい。」若い私は心底羨ましげな言葉を吐いた。私の記憶どおりなら、私がその機会に恵まれるのは、高校卒業時だ。残念ながら。