私は混乱した頭を抱えてとりあえず、家に戻ろうとした。家の前の道を歩いていると、海の家の裏の畑から、いかにも怪しい人の足取りで、俊ちゃんと若い私が出てきた。二人は辺りを見回しながら歩いている。
俊ちゃんがフーッと大きく息を吐いて、「危なかったな。もう大丈夫かな。」と息も絶え絶えにつぶやいた。「うまく逃げられたかな。」私も息を切らしながらつぶやいた。やはりここは、私の高校時代ではないのだろうか?