通りすぎていったと思った白バイが凄いスピードで戻ってきて、海の家のせりだした箇所をヘッドライトで照らしていった。海の家は全部で六軒あるが、私と俊ちゃんが隠れているところは次に照らされる所だった。
ライトの明かりが二人が隠れているあたりを照らした。しかし、そこには誰もいなかった。白バイ警官はチッと舌打ちして走り去った。
おかしい。私の記憶によれば、俊ちゃんと私は、警官に見つかって職務質問されるはずだった。どういうことだ。ここは私の過去の世界じゃないのか?私は何がなんだかわからなくなって混乱した。