ダイニングに着くと、父はすでに待ちくたびれていた。


先に食べればよかったのにと思いながら、席についた。


何も挨拶をしないのは、さすがに悪い気がしたので、私は言った。


「お帰りなさい。お父様」


どういった心境なのか、父はめずらしく挨拶を返してきた


「ただいま。」


それからは一言も会話をしなかったが、いつもより、暖かい雰囲気だった。


何故そう感じたのかは、今の私にはわからなかった。