学校に着いた私は、挨拶もせずに、教室のドアを開けた。

その瞬間、みんなが私のほうに振り向いた。

私は、その視線を無視するように席に着いた。

先生が入って来て、授業が始まった。

私はいつものごとくぼんやりと授業を受けた。

相変わらず、つまらない。

女子は女子で、ひそひそと隣同士で話しているし、男子は男子で、授業など面倒だとでも言うように机に足を上げている。

そんな姿を見ると、この人達は将来、どんな人間になるんだろうと思う。

自分の思想にふけっているうちに、放課後になった。
外は相変わらず雨が降っていた。

家に帰ろうと思い、私は玄関に行った。
傘立てを見ると、朝持ってきた私の傘がなかった。

安い傘だったから、きっと誰かが持って行ったのだろうと思い、私はそのまま帰ることにした。