涙目になりながらあたしはバンバンと叩きながら机に顔を伏せた。


「あたしだって……したいよ」


好きなんだもん。
触りたいよ、吉馬に。
でもさ。


どうせあたしの色気がないからでしょ?
だから吉馬もする気ないんでしょ?
悪かったわね。
あたしはどうせ、幼児体型よ。
ふんだ。
いいもん。


って……自分で言って泣きそう。
あ~あ。
もっと魅力的なボンキュンボンになりたかったなぁ。


「何の話してんの?」


突然上から声が降ってきた。
あたしはそれに気付いてゆっくりと上を見上げると。


「夕くん……」


あたし達の前に現れたのは同じクラスの夕くんだった。
いかにもチャラそうな外見で馴れ馴れしい言葉遣いだけど、ノリがいいから仲はいい。


すると夕くんを睨みつけながら沙耶は口を開いた。


「うっさい。夕はすっこんでろ」


「そんな冷たい事言うなよ~」


ヘラヘラ笑いながら夕くんはそう言ってあたしの机にしゃがみ込んできた。
するとそんな夕くんにシッシと追い払う仕草を沙耶はする。


「夕には関係ない。これは女子の会話なんだから」


そう言って、“ね?”とあたしを見た。
するとあたしと沙耶を交互に見ながら夕くんは口を尖らせた。


「んだよぉ。ケチケチしないで雑ぜろよー」


駄々をこねる夕くんを沙耶はウザッたそうに見ている。
すると夕くんは思い出したようにハッとした顔をした。


「そういえばさ。おれ昨日1年の子とヤッたんだ」


……。