そう言ってパックのジュースを飲みながら沙耶はあたしのバックを覗き込んできた。


「それはないよ。だって朝聴いて来たし。ちゃんと同じとこに入れてたし」


きっと、どっかで落としてきたんだぁ。
でもいつ?
歩きながらバックに入れた時……ちゃんと入ってなかったのかなぁ。


すると沙耶は眉を下げながらあたしの肩に手を乗せた。


「しょうがない。諦めろ」


「やだよ。誕プレだったんだから!」


しかも。
めっちゃ曲入ってるし。
あぁ……。
全てパァーだよ。パー。


そう溜め息をついていた時だった。


シャカシャカシャカ……♪


ん?
この曲……あたしのウォークマンにも入ってたな。


なんて思いながら横を通っていく男子をチラッと見た。


あれ?
あたしと同じ色のウォークマンだ。
男でもピンクとか使うんだ。
って……!!


「あぁ!」


あたしは目を見開いて男子の持つウォークマンを指差した。
するといきなり大声を出されて驚いたっぽい男子はビクッとしてあたしを見下ろした。


「ん?」


「それ!あたしのなくしたウォークマン!!」


間違いない。
チラッと見えた本体にシールが貼ってあるもん。
絶対あたしのだ!


すると男子はボーっとあたしを見て口を開いた。


「え?これあんたの?」


「うん!!」