そう言って真っ赤になってるあたしを見てクスクス笑っている。
もう……絶対馬鹿にしてる。
「可愛くないしっ」
そう言ってあたしはフイッと吉馬から視線を逸らした。
すると吉馬は欠伸をしてあたしに背を向けた。
「……眠い」
って、吉馬の声が聞こえたと思うと、1分もしないうちに心地良さそうな寝息が聞こえてきた。
「え?もう寝たの?」
吉馬寝るの早っ。
そう思って顔を覗き込んでみると。
キメ細かい肌に、長いまつげ。
普段は格好いいけど、寝顔はすごく可愛い。
無防備な寝顔を見てあたしはそっとベッドに寝転がって吉馬の背中にくっついた。
「吉馬……大好きだよ」
寝てるから聞こえないでしょ?
でも夢で聞こえてくれてたらいいなぁ。
なんて、そんなの無理だよね。
「むふふ……」
自然と笑みが零れた。
ギュッと吉馬の背中に腕を回して抱きついて。
吉馬の優しい香りを嗅いで、安心したあたしは気付いたら眠っていた。
変態かもしれないけど。
今だけ、寝てる間だけでいいから。
その吉馬の優しい香水の香りに安心させて。
背中から聞こえる鼓動にドキドキさせて。
心地良さそうな寝息に眠らせて。
少しの間こうやってくっついていさせてね。