すると吉馬はそれが聞こえてたように微笑んであたしの腰を自分に引き寄せた。
そしてギュッとあたしを抱きしめてくれた。
「希……」
「ん?」
少し低い声が降ってきて顔を上げると、吉馬はあたしの頬に手を添えた。
そして頬を赤く染めながら恥ずかしそうに呟く。
「キス……してい?」
「え……」
ドキン。って心臓がいった。
あたしは一瞬びっくりして言葉が出なかった。
顔に体中の熱が集中してる感じがして顔を隠したくなった。
だって絶対真っ赤だもん。
でも吉馬の照れた顔を見てたらそんなのどうでもよくなった。
「いいよ」
そう頷いて返事をすると、吉馬はフッと嬉しそうに笑った。
そしてゆっくりと吉馬の顔が近づいてきて、そっと唇を重ねる。
吉馬……。
やっぱり口カサカサ。
でもその唇が愛しかった。
大好き。だよ。
吉馬はあたしの事大好き?
そう触れ合う唇に聞いた。
好きだから欲張りになっちゃうの、あたし。
だから……こうやってキスしてくれるのは嬉しいけど。
でも、やっぱりそれ以上もしてほしいよ。
だから決めたの。
あたし……誕生日覚悟決めるって。
その後手を繋いであたしの家に遊びに来て、吉馬はゴロンとあたしのベッドに寝転がった。
それを見ていると、吉馬はあたしのいる方に寝転がって微笑んだ。
「やっぱ……希のベッド。希のにおいして落ち着く」
「なっ」
何て事言うの!
恥ずかしいじゃん。
「何言ってんの」
そう言ってあたしは赤い顔で吉馬を睨んだ。
するとそんなあたしを見て吉馬は笑った。
「ぶはっ。かわいー」