友達に呼ばれて去っていく吉馬を見てシュンとしていると、沙耶はスナック菓子を食べながら言った。


「そういえば希。再来週誕生日じゃん」


「あ」


そういえば、忘れてた。
再来週あたしの誕生日じゃん!!


ハッとしていると、沙耶はニッと笑った。
そしてあたしの耳元に顔を近づけるとそっと囁いた。


「誕生日……発展させちゃったら?」


「え……」


発展!!
そうか!!その手があったか!
特別な日だ。
いい機会じゃん!!


目を輝かせていると、それに気付いた夕くんはあたし達の会話に入ってきた。


「何?何?再来週のんちゃん誕生日なの?」


そう言って顔を覗き込んでくる。
あたしはさりげなく顔を離して微笑んだ。


「うん」


「んじゃさ。おれと盛大にパーティーしない!?」


「は?」


何故そこで夕くん?


キョトンとしていると、沙耶は夕くんを睨んだ。


「馬鹿じゃないの?どこに誕生日を彼氏とじゃなくて友達、しかも男と過ごす奴がいるか」


そう冷たく言われると、夕くんは口を尖らせた。


「ちぇ……」


そうよ。
あたしは吉馬と一緒に過ごすんだから。
夕くんには悪いけど、夕くんに相手してる暇はないんだ。