「じゃあ、聞くけど…
 小さな女の子が迷子で泣いていたら??」

「えっと…
 一緒にお母さんを捜すかな」

「帽子が木に引っ掛かって
 子供が泣いていたら??」

「高所恐怖症だが、
 木に登って取ってやるかな」

「やっぱり泣く子も笑うだね。
 高所恐怖症なんだ」

「しまったぁぁっ!!」

つい自分の弱点を言ってしまったロキスは頭を抱えて叫ぶ。
魔王にとって自分の弱点を知られてしまうのは、屈辱的に近いことなのだ。
言いふらすような人間には見えないが、高い所に登れと言いそうだ。
ロキスが絶望しているとレセルは、聞かなかったというように話を続ける。