ぶっちゃけ俺が女を見て、初めて可愛いと思った瞬間だった…


「あっ!そうだっ!」


いきなり小林が叫んだ。


「山本もスーツ着て、二人で校内回ってきてよ!宣伝するヤツいなくて困ってたんだ~」


「は?」

「え?」


今度は、俺と立川の声が綺麗に重なった。


「それいいじゃん!山本も結構イケるし、絶対沢山客来るわ!小林もたまにはいいこと言うな~」


「まぁ~ね~♪」


おい、照れるな小林!


「「賛成~♪」」


ほら、みんな反対して…る…?


って、してないし!


「とゆうわけで、これに着替えて!あっちに宣伝用プレートとチラシあるから!ヨロシク♪」



俺達の有無を聞かず、事は決定した。









オイオイ…


俺達…いや、俺どうなっちゃうの??


結局大人数の意見に逆らうことはできず、トイレに入って着替えをする。


鏡に写る自分を見て、溜め息を一つ。


何のために料理もしたことない俺が調理係になったんだか…


これじゃ、まじ意味ないし。


ハァ~、と今度はさっきよりも長々と溜め息をつきながら、調理室に入った。


「おっ!山本似合うじゃん♪」


…おい、小林。覚えとけよ?


心の中で呟いて、軽く睨んだ。




「じゃあ、立川行こっか!」


「…う、うん」


「山本、しっかり客捕まえてこいよ?」


「お~!」