「だからっ、ミッスーって山本の彼女なんだろ?だけど、みんなには見せたくないから男装した。しかし、逆に注目されてしまったため、仕方なくここに連れてきた。違うかね?」


みんなを代表して、クラス1お調子者の小林がなぜか探偵風に話した。


「は?違うし!」

ガラッ


俺が言った言葉を遮断するかのように、ドアが開いた。


「見て見て!まじヤバい!」


そう言って、さっきの女が現れた。


「「何何っ?」」


みんなが一斉にドアに意識を向けた。


「みんな驚かないでね!美鈴ちゃん、こっち来て!」


「絶対っ!無理っ!」


断固拒否している立川の声が廊下から聞こえる。


「もうっ!」


女は一瞬姿を消した。


「いやー、離してッーー!」


どうやら無理矢理引っ張っているらしい。


「ジャ――ン!まじ可愛いでしょ?」


そこに現れたメイドさん。


いや、立川。


誰もが息を飲んだ。


((…か、可愛い))


心の中では全員こう思っただろう。


もちろん、俺も。


それほどメイド服を着て、恥ずかしそうにうつ向いている立川は可愛かった。