「来るの遅い!早く入って!」


彩花がそう怒鳴って、腕を引っ張った。


だって…やっぱ自分から戦場に行くようなもんじゃん、男のいる学校に行くなんて。


そう思ったあたしは、ギリギリまで家にいたんだ。


そりゃ遅刻するに決まってるよね。


階段を上がって、一番奥にある部屋。


そこが彩花の部屋。


後に続いて、ドアをくぐる。


あんな性格だから、どんなに急に訪ねてきても彩花の部屋は綺麗。


今日もそう思って入ったのに…


…あれ?服が散らかってる。


しかも…男物ばっか。


「???」


あたしの頭は一気に疑問でいっぱいになった。


「これ、一輝が小さくなって着れなくなった服。あんた、好きなの選びな!」


「????????」


ますますこんがらがるあたしの頭。


「全くまじであんた、鈍すぎ!この服着て、男装するの!そうすれば男も寄ってこないでしょ?」


「…な、なるほど!頭いいね~、彩花!」


「絶対あんたがバカなのよ…とにかく、早く選んで!時間ないんだから!」


そう急かされて、適当に近くにあった服を選んで着替えた。