もう一度拓海君を見ると、砂遊びに飽きてきているらしく、キョロキョロと回りを見回していた。


この公園には、2·3人が一気に座れるような背もたれ付きのブランコがある。


それをロックオンした拓海君。


一直線にハイハイし出した。


慌てて道具をカバンにしまって、その後ろ姿を追いかけた。


膝に乗せて、足でブランコを蹴る。


右手で拓海君を支えながら、左手でブランコを掴み、そして足で漕ぐのはすごく大変だった。


なのに、拓海君はこのブランコも気に入ったらしく手をバタバタさせて喜びを表現した。


最初ははしゃいでいた拓海君も揺りかごのようなブランコに、だんだん眠くなってきたみたいで。


完全に寝るのを待ってから、ゆっくり家に帰った。


ぐっすり眠っている拓海君を布団に寝かせると、今までの疲れがどっと押し寄せ、気づくとあたしまで拓海君の隣で眠っていた。


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ガチャッという音で目が醒めた。


…あれ、あたしいつの間にか寝ちゃったんだ。


隣を見ると、天使のような顔をした拓海君がスヤスヤ眠っていた。