「楓!あのな、サッカーは一人の戦いじゃねぇんだ!メンバー全員で相手に立ち向かうもんなんだよ!もちろん試合に出られねぇヤツだって沢山いるけど、こうやって応援してくれてるだろ?サッカーは団体競技なんだよ!チーム全体がまとまって勝利を掴むんだ!テクニックの問題じゃねぇ!楓なら、そんぐらい分かるだろ?」


俺はその言葉にハッとした。


そして、他のメンバーのヤツら、コーチ、応援してくれている後輩達を見た。


俺を少しでも責めているような目は1つもなかった。


みんな勝利に向けて真剣だ。


そして…最後に池田を見る。


池田は、力強く頷いた。


俺も頷いた。


俺は、間違ってたんだな…


「ゴールは俺(※池田はキーパー)とディフェンスのヤツらが守る。だから、お前は相手のゴールのことだけ考えろ!」


「あぁ!」


「よし、行くか!お前ら、ぜってぇ勝つぞ!」


メンバー全員で円陣を組み、池田の掛け声を合図に「「おぉ~!」」と大声を上げた。


本当の俺…いや、俺達のチームプレイを見せてやる!


気合いを入れて、自分のポジションへと走った。