毎回卒業式は大泣きして、ほとんど何も分からずに終わっちゃってるあたし。


だから、高校卒業ぐらいは泣かない!


そう気合いを入れて、迎えた卒業式。


案の定(?)、すぐに大泣きした…(笑)


“高校=青春”って言われてるだけあって、沢山の思い出が詰まった3年間。


友達も先生も、ホントいい人達ばかりだった。


今日で制服を着るのも最後。


みんなと会えるのも、もちろんこの校舎とも最後。


沢山の最後が集まって、やっぱり泣かずにはいられなかった。


最後にみんなで写真を撮ったり、色紙に寄せ書きした。


「卒業したくないよぉ!」


「あたしも、みんなと離れたくな~い!」


何て言いながら人目を気にせずに抱き合えちゃうのも、女子校だからだよね。


「はい、そこ目障りだから離れて~!」


そんなあたしと友達を、情の欠片もなく引き離す彩花。


「目障りとかひど~い!」


「ホント!」


あたし達が文句を言っても、彩花は知らん顔。


「ちょっと美鈴、行くわよ!」


そう言って、あたしを引っ張った。


「え?ちょ!どこ行くの~?」


ちゃんとみんなとお別れできずに、半ば強制的に校舎を後にすることとなった。