「別れろって俺が言ったらどうする?」


え~、何その答え次第では殴るぞみたいな質問は……


でも、俺の答えはただ1つ。


「嫌です!絶対別れません!」


「…………」


親父さんが黙り込んだ。


…ヤベッ、調子に乗りすぎた?


もしかして殴られちゃう?俺…


よ、よし!喧嘩はしたことねぇけど…準備はいいぞ!


「……ブハハハハッ!」


いきなり、親父さんが笑い出した。


…は?どうなってんの?


あまりに不可解な出来事に、ただ呆然とするしかなかった。


「…合格だ。いい加減な男だったら、俺が二度と美鈴の前に出てこれねぇようにしてやろうと思ったんだが、大丈夫らしいな。これからも美鈴のことヨロシク頼むな?」


ハァ…まじビビった。


ぶっちゃけ、試合の時より緊張したし!


「は、ハイ!もちろんです!」


「よし、じゃあ戻るか!」


「はい!」


「…あ、最後にもう1つ。」


歩き出した親父さんが足を止めて、振り返った。


「俺のことはオジサンって呼ぶなよ?俺だってまだまだ若いんだからな!」


「じゃあ、何て呼べば…?」