ついに来た、12月31日!


両親に会うっていうのがちょっと引っかかるけど、せめて今日ぐらい立川と楽しまなきゃな。


家を出て、すぐ電話をかける。


立川の声を聞いて、ホッと肩の力が抜けた。


そこで初めて、自分が極度に緊張していたことに気付いた。


だけど家が近付くにつれ、また緊張し始めた。


挨拶ってどんな感じにやればいいんだ?


服ってこんな普通で良かったのか?


そんなことを考えている内に、立川の家に着いてしまった。


もうどうにでもなれ!


若干諦めて、チャイムを押した。


ちょっと間が空いて、玄関の扉が開いた。


「いらっしゃい♪楓君、わざわざ来てくれてありがとう!」


出てきた相手が立川でぶっちゃけスゲー安心した。


そう思ったのもつかの間。


奥から声が聞こえて、女の人が顔を出した。


……お姉さん?


そう思った俺は、立川の次の言葉を聞いてビックリした。


「…何、ママ?」


…えっ、お母さんだったのか!


「あ、こんばんは!山本楓です。初めまして。」


慌てて挨拶をする。


ジロジロ見られた感じがしたけど、笑った顔は立川にそっくりだった。