「…ちょっと!2人とも近いよ!電話に集中できなかったじゃん!」


「ウフッ♪やっぱまだまだラブラブね☆」


「そっ、そんなことないよ!」


「まぁ、顔赤くなっちゃって♪我が子ながら可愛いわっ!」


「もう!からかわないでっ!」


あたしとママがじゃれ合っている隣で、パパは何か考え込むように黙っていた。


ピンポ―――ンッ!


「ついに来たわねッ♪」


何故かあたしより先に玄関に向かおうとするママ。


「ちょっと!あたしが開けるから、大人しくソファに座ってて!」


ブツブツ文句を言う2人を無理矢理ソファまで連れていき、玄関に走った。

ガチャッ!


「いらっしゃい♪楓君、わざわざ来てくれてありがとう!」


「おぅ、用意できた?」


「うん!じゃあ、パパ、ママ行ってくるね!」


「美鈴~、ちょっと待ちなさい!」


リビングから声がしたと思ったら、すぐにママが姿を現した。


「…何、ママ?」


「せっかくだから、ちょっと挨拶をって思って♪」


「あ、こんばんは!山本楓です。初めまして。」


楓君がピシッと挨拶をした。


「あなたが楓君?あらぁ~♪カッコイイじゃない!」


ママがジロジロと楓君を見て、そしてニッコリ笑った。