冬休みはやる事がほとんどなくて、あたしは1年間散らかり放題だった部屋の片付けに時間の大半を費やした。


そして、ようやく31日に。


何故かあたしだけじゃなくて、パパも朝からソワソワしている。


「ちょっと恭介、いい加減座ってよ!」


「…だって、美鈴の初彼が来るんだぞ?緊張するじゃないか。真美こそよく落ち着いてられるな…」


こんな風に夜11時を過ぎると、パパは意味もなく部屋を歩き回ってママに怒られていた。


あたしは、そんな2人のやり取りをクスクス笑いながら眺めた。


子どものあたしから見ても、ホント仲がいい夫婦だと思う。


でも、あたしがいる時ぐらい名前で呼び合うの止めて欲しいな…。(笑)


プルルル…プルルル…


「あ!楓君から電話だ♪」


そう言うと、いきなり2人が近寄ってきた。


「もしもし?」


『立川?あと5分ぐらいで着くから。』


「分かったぁ!楓君、道大丈夫?迷ってない?」


『おぅ!心配しなくても何回か行ってるから大丈夫だし♪じゃあ、また後でな?』


「うん♪気を付けてきてね!」


ピッ!