そんな今すぐ決めなくてもいいのに…


俺はもう繋がっていない携帯を見ながら、その立川らしい行動に呆れつつも愛しさを感じた。


それから10~15分後、立川から電話がきた。


「おぅ。どうだった?」


『うん♪いいって!』


「そか♪良かった!」


『でもね、条件付きなんだ。それでもいい?』


「…条件?どんな?」


『あのね、楓君があたしの両親に会うって条件。ママ達、楓君がどんな人なのか見たいんだって。』


………は?


立川の両親に会う?俺が…?


いやいや、ちょっと待てよ!


そんなの超緊張するじゃんか!


『……やっぱイヤ?』


なかなか返事をしない俺に、立川が悲しそうな声で言った。


「ヤじゃねぇけど……俺なんかが会って大丈夫か?嫌わるかもよ?」


『大丈夫だよ!楓君、カッコイイもん♪』


「………」


思わぬ返答に、俺は顔が熱くなるのが分かった。


普通、本人相手にそんなストレートに言うか?


多分立川は、深い意味もなく言ったんだろうけど…


『……楓君?』


「…そんな風に言われたら、断れねぇじゃん」


『……あ。ご、ごめん……』


やっと自分の言った言葉の重大さに気付いた様子の立川。