「どれ?」


ゴチッ!

「イタッ!」

「イテッ!」


俺が顔を近づけた途端、オデコとオデコがぶつかった。


顔を少し歪ませてオデコを擦っていると、立川と目があった。


「「……プッ!!」」


その動作が全く同じで、揃って吹き出した。


「楓君、石頭だよ~!あたし、まだヒリヒリする!」


「石頭はそっちだろ~?俺なんてガンガンしてるし!」


「そんなことないも~ん!」


「…あの、ご注文はお決まりでしょうか?」


俺達が言い合ってる内に、いつの間にかそこにはウエイトレスが立っていた。


「…あ、すみません…まだ、決まってないです…」


慌ててそう言う。


「…アハハッ!」


ウエイトレスが去っていくと、突然立川が笑い出した。


「笑うなよ!」


「だって…あのウエイトレスさん、すごい顔ひきつってたんだもん!アハハッ!」


立川が笑っているのを見て、俺も釣られて笑ってしまった。


「…ハハハ!って、早く決めねぇとまた白い目で見られるじゃねぇか!立川、何にする?」


「えっとねぇ…これ!」


「さっき言ってたヤツ?」