12月25日。


今日はちょうど休日で、午後から立川に会う予定。


もう前みたいに絶対遅刻できない俺。


雑誌を読んだり、彩花ちゃんから聞いたりして、デートコースはバッチリ決めた。


よし!


気合いを入れて、家を出る。


待ち合わせ場所に行くと、もう立川が待っていた。


ワンピースにコートを羽織って、ブーツに毛糸の帽子、っていう服装。


ヤバッ!可愛い…


俺は若干緊張しながら、足早に近づいて行った。


「立川!はよっ!」


「あ…、おはよ!」


立川が少しうつ向き加減で返事をした。


その姿を見て、俺も何か急に恥ずかしくなった。


「じゃあ、行くか!」


そう言いながら、すぐに歩き出す。


「…あれっ?ちょっと待って!楓君、どこ行くのっ?」


少し先を行く俺のちょっと後ろを小走りしながら、立川が言った。


「ん~?内緒っ♪」


俺はそう言うと、歩くペースを立川に合わせた。


「え~!じゃあ…ヒントは?」


「ヒント?…立川の好きそうなトコ!」