「…ただいま~」


いつもと変わらないように注意しながらそう言って家に入った。


真っ直ぐ階段を登り、自分の部屋の扉を開ける。


そして、そのままベッドにダイブした。


“あたしも楓君が好き”


さっきの光景が頭に蘇り、俺は何だか変な気分になった。


嬉しいような、恥ずかしいような…


とにかく色んな気持ちが一気に心に吹いてくる。


俺は立川が好きで…


立川も俺が好き。


いわゆる、両思いってヤツだよな?


でもよ…


付き合うって、具体的には何すりゃいいわけ?


遊園地を出てから、頭はこの疑問でいっぱいだった。


その疑問を解決すべく、俺は一輝に助けを求めることにした。


プルルル…プルルル…


「もしもし?俺!」


『おぅ!楓か?俺なんかより、ちゃんと美鈴ちゃんに電話したのか?』


「…電話?用もねぇのに?」


『…やっぱお前、全然女心分かっちゃいねぇな…』


「えっ、電話するもんなの?」


『人によるけどな。電話が無理でもメールぐらいしろよ?』


「…分かった。」


『で、何の用?』


「あ、そうそう!あのさ、付き合うって具体的に何すりゃいいの?」