「…え?」


どうしたのか聞こうとしたら、一輝君の肩が震えてるのが目についた。


まさか…一輝君、泣いてる?


もしかして、すごく言っちゃいけないことだったのかな?


「ごめ…」

「…プハハハ!」


あたしの声と一輝君の声がカブった。


え…?


下を向いていたあたしは、すぐに顔を上げた。


そこには、一輝君がお腹を抱えて笑っている姿があって。


…なんで!?


訳が分からず、ただ一輝君を見つめた。


やっと笑いが止まった一輝君は、目に涙を溜めて口を開いた。


「美鈴ちゃん、まじ面白いな!もう天然の域越えちゃってるって感じ?」


あたしが何か言う前に、一輝君はそう言って立ち上がった。


?????


その言葉で余計頭の中にハテナマークが飛ぶ。


その様子に気付いた一輝君は、説明を始めた。


「俺達、ケンカしたわけじゃないよ?」


「…え?じゃあ、何で…」


「別行動するかって?」


あたしは返事をする代わりに、コクンと頷いた。


「それはね~…あ!これはまだ話せないな♪」


「え?何で?」


「美鈴ちゃんも、もう少ししたら分かるから!じゃ、俺達も何か乗ろっか!」


あたしも、もう少ししたら分かる…?


どういう意味だろ?


「美鈴ちゃん、何乗りたい?」


色々考えてみたけど、一輝君のこの言葉でそれは途絶えた。


そうだ…


あたし、一輝君と2人でいなきゃいけないんだよね…


どうしよう…?


こっちの方が問題じゃん…


「…美鈴ちゃん?」


あたしがなかなか返事をしないのを心配して、一輝君が顔を覗き込んだ。