「まぁまぁ、そう怒らないで!もう1人は誰だと思う?」


もう、1人…


「…まさか!」


あたしがそう言ったと同時に、


「おまたせ~!」


と言う声が後ろから聞こえた。


ゆっくりそっちを向く。


そこには…


ニヤニヤ笑った一輝君と、それと正反対な表情をした…楓君がいた。


抱き締められた日以来の対面。


それを思い出したら、急に恥ずかしくなって慌てて下を向いた。


もう、彩花ったら!


何でこうお節介なんだろ…?


気まずいの分かってるくせに…


下を向いたまま、キッと彩花を睨んだ。