彩花の家で待ち合わせして、電車に揺られること、小1時間。


目的地の遊園地に到着した。


さすが冬だけあって、それほど人はいない。


「ねぇ、彩花!何に乗る?」


カラフルな乗り物達にすぐテンションが上がって彩花に聞いた。


「あ~、ちょっと待って!今日あと2人いるから」


「ふぅ~ん、分かっ……え!誰呼んだの?」


あたしは今までほどのリアクションを取らないように、注意して尋ねた。


「合流してからのお楽しみ♪」


彩花はそう言って、誰かに電話をかけ始めた。


まさか…


……まさか、ね。


いつものパターンを思い出して、フルフルと頭を振った。


「あ、もしもし?着いたよ。そっちは?」


「うんうん。分かった。入り口で待ってるね!じゃね~」


相手の声は聞き取れなかったけど、きっと相手は…


「…一輝君?」


「ん?何で?」


「何でって…いつものパターンだもん。いくらあたしがバカだからって、そのぐらい分かるよ!」


「あちゃ~、バレたか♪」


彩花は、わざとらしく舌を出してオデコに手を当てた。


「そんな、らしくないことやっても面白くないよ!」