そう言われた瞬間、目に涙が溢れた。


「ほら、泣くなよ?笑っててくれなきゃ、俺安心できねぇじゃん。」


「ごめんね…圭君…」


「俺泣かすために、みっちゃん連れてきたんじゃないから!」


「うん、ごめん…」


その後あたしが泣き止むまで、圭君は何も言わなかった。


「よし、そろそろ帰るか!」


「…うん」


圭君が腰を上げ、先に降りていった。


「はい。みっちゃん、手!」


また降りるのを手伝って貰う。


そして、また元来た道をゆっくり戻った。


行きと違うのは、あたしの気持ち。


そして、繋がれた手。


降りるのを手伝って貰ったまま、あたし達は手を繋いでいた。


…小さい頃もこうやって、圭君に手を引っ張って貰って色んな所に行ったよね。


また昔を思い出して、切なくなった。


こんなに…圭君は優しいのに、あたしはその気持ちに答えることができない。


結局曖昧な態度を取って、圭君を傷つけちゃった……


申し訳なくて…


すごく申し訳なくて仕方が無かった。


無言のまま歩き続け、あたしの家に到着した。


「みっちゃん、自分の気持ちに素直にな。心は正直だ。だから、俺みたいに後悔するなよ?」