「みっちゃんも早く!」


「え!あたしも行くの?」


「当たり前だろ!ほら、俺も手伝うから!」


「…うん」


どうにか、あたしも乗り越えることができた。


圭君は、まだ奥に進んで行く。


やっと歩くのをやめたと思うと、目の前にはジャングルジムがあった。


「みっちゃん、覚えてる?」


そう言いながら、ジャングルジムを登っていく。


「…何を?」


「幼稚園の時もこうやって二人で登ったよな~!あの時はすごくでかく感じたのに、今じゃこんなに低いんだもんな」


「あ!確か帰りが遅いもんだから、あたしのパパとママが探しに来た時だよね?」


「そうそう!あの時、俺みっちゃんパパにエライ怒られて、スゲー凹んだんだよな~」


「え~、そうだっけ?」


「覚えてないの?何だ~、言わなきゃ良かった…」


「だから、前あたしのパパがあたしに甘いなんて言ったの?」


圭君に手で促されて、あたしもジャングルジムに登り始めた。


「まぁな!懐かしいな~」


「そうだねぇ~!もう15年も前だもん!」


「もうそんな経つのか~!」


やっと一番上まで辿り着いたあたしに、圭君が言う。


「みっちゃん、上見て!今日晴れてたから、絶対綺麗だと思ったんだ」


そう促されて、上を見た。


「うわ~!キレイ…」


目の前には手を伸ばせば届きそうな程、キラキラ瞬く星があった。


12月の澄んだ空気のせいか、いつもより輝いて見える。


「ここに来たのさ、実はこの星空見せたかったからなんだ」


「そうだったんだ。ありがとう。すごく嬉しい!」


空から目を離し、圭君を見て素直に笑った。