「あ~~~~…もう嫌だ~~」


思い出したくもない日から、何日か経った今日。


俺は、最近口癖になってしまった言葉を再び口にした。


「受験は近づいてるし、あの男と立川がどうなったか分かんないし、サッカーできないし…もう最悪だ~~~!」


「…まったく!グチグチ煩い男ね!」


「ホントだよな!どっか他行けよ!」


彩花ちゃんと一輝から、痛恨の一撃を1回ずつ受けた。



あの日から、何故かこのメンバーでいることが多くなって。


それと同時に、毒舌が1人増えてしまったことに、さらに頭を抱えることにもなった。


「そうなのよ!やっと少しは大人に近づいたわよね。あの子も。それに比べて…」


彩花ちゃんは最後まで言葉を続けず、かわりに視線だけ俺に向けた。


「…は?俺?」


驚いて自分を指さす。


「同感」


…一輝まで、彩花ちゃんの肩持つのか?


「お前、どうする気?このまま美鈴ちゃん取られてもいいわけ?」


一輝の言葉に、今度は彩花ちゃんが頷いた。


「……よくはない」


「だろ?」


「……でも」


「…でも?」